見積もり時・予算
トラブル全体の詳細を把握している訳ではないですが、私自身が思うにも、品質が粗悪な上さらに費用が高い、ようするに「ぼったくられた」というトラブルが一番多いように思えます。 なぜなら、価格も安く品質が悪い工事は、「安かろう悪かろう」にはなりますが、品質と価格はバランスをとって比例しているので「不当に高い」とは言えないからです。
住宅の塗り替え業界は大きく分類すると2つに分かれます。 最後まで読むとわかりますが、不当に高い価格を避けるためには、その内の1つを除外するだけでも回避する確率が高くなります。 そして、見積もり時の注意点として、予算は絶対に言わない事です。予算通りや、それより低い見積もりになるはずが、予算を告げたおかげで高く吊り上げられてしまう場合もあるからです。 「だいたいいくら位するのかを聞いても言ってくれない」と、言うのは、様子をうかがって価格を高くしようとする駆け引きが考えられます。 プロであれば、坪数と家を見ればだいたいの概算は出せるからです。
最初の見積もりから、2割～4割の値引きにも、疑問を持つべきです。 なぜなら、最初の価格は後から値引きされる価格の安割感を演出するための価格である可能性が高く、そのような価格提示をする業者からは、品質のいい工事はイメージできないからです。 仮に最初の見積もりが本当の価格だとしても、それだけの値引きをしたら、工事に影響が出ないはずはありません。 「一式坪○○円」というものにも、注意が必要になります。たとえ同じ大きさの家同士でも、価格が一緒にはならないからです。
カベのちがいで材料代もことなり、「最近の家」と「木・鉄が多い昔の家」でも手間がことなるからです。 だから、コストが掛からない家の場合は、不当に高くなってしまう可能性がつよいのです。 そして「結局どのくらいするものなのか?」ということですが、平均的な建坪30ほどの家の簡単な内訳を見てもらいます。
工程 価格の根拠 価格塗る前 足場・シート 相場の価格 15～20万円 水洗い・養生 8万円前後塗り(下～上塗り、すべてシリコン) カベ(塗料・施工費) 塗料メーカーの価格表 40万円以上 木・鉄(塗料・施工費) 20～30万円 私たちが主流で使っている塗料メーカーの価格表(2004年版・材工価格表)では、シリコン系のほぼすべてが㎡(1㍍四方)4千円以上です。 窓は塗らないので、それを除いた実際に塗るカベの面積を、100㎡だと仮定すればカベだけで40万円ですが、窓の数と大きさによって塗るカベの面積に差が生じます。
価格は一番気になるところなので、できるだけあいまいさを省くために説明したいところですが、さらに木部と鉄部の数は、もう家によって数・大きさ・形とも、完全にバラバラで、方角によっても作業は一緒ではありません。 北側は2回塗りで済むときがあっても、反対側の陽が長時間あたるバリバリに傷んでいる木部などは、その分3回以上塗るというように、長持ちさのバランスをとるためには、塗り回数も変われば価格も変わります。
