規定どおりの工事

工事のチェックポイント

塗装工事の価格について、いったい自分はどれくらい知っているのだろうかという、不安をお感じになったことはないでしょうか?

塗装工事は手作りの作業と言われています。現場で工事に携わる、職人によるところが非常に大きいのです。見積の際は「一式いくら」ではなく、具体的にどんな作業をやるのかということがわかっている必要があります。

見積もり時に気がつかなかったことが、足場を組んでから分かる場合があります。一般の人は、普段、自分の家の屋根の隅々をみたり、換気口のような細かいところがどうなっているかなどをわざわざ調べたりしないからです。

塗装工事を業者に頼むときに、チェックしておきたいポイントをお教えしましょう。

  • 必要な量の塗料(塗料の缶数)が明記されているか。
    塗装工事をきちんと行なっているかどうかを確かめるのに一番わかりやすいのがこれです。但し、塗料の分量といっても一般にとっては、何缶、というのが一番把握しやすいのです。
  • カベの塗料の種類が明記されているか(下塗り塗料も含めて)
    塗料にも色々種類があります。壁には壁の塗料があり、屋根には屋根の塗料があります。下塗り、中塗り、上塗りと、それぞれにふさわしい塗料を使わなければなりません。
  • 木・鉄部塗料の種類が明記されているか(下塗り塗料も含めて)
    木部や鉄部は、たいていの家にあります。木部は雨風にさらされると非常に傷みやすく、家の中でもっとも先に劣化が目立ってくる部分です。鉄部にはサビがあり、錆止めの役割をする塗料が必須です。
  • 下地調整作業の項目が明記されているか。
    念入りな下地調整は、塗装に欠かせない大事な作業です。下地調整によって、工事の価値が決まると言われているくらいです。壁や屋根はもちろん、細かいところにどのような下地調整をやるのかのチェックも必要です。
  • 塗る部分の内訳が細かく分かれているか。 (足場・養生・壁・破風・軒裏・雨戸・雨どいなど)
    家の中でも雨樋や破風などの細かい部分を塗る必要があることは、作業をする職人は心得ていても、この家の住人である施主は把握出来ていないことも多いのです。小さいところでもきちんと塗って貰わなければ、まっさきに傷みが出てしまいます。
  • 「一式」ばかりでなく、平米○○円で細かく計算されているか。
    一式という表現だと、どのようにも取られてしまいます。
  • 一式坪○○円というのは論外。同時に、塗料のうすめ方や下地調整の説明を聞く必要があります。 「下地調整はどのようにやるのか、またメーカー規定の必要缶数と消費した空き缶数も教えてほしい」 これは、いい意味で工事に非常に大きい影響を与えるはずですから、ぜひ言って欲しい一言です。 契約時の口約束は、かしこくないです。 できれば見積書だけでなく、契約書にも、せめて必要塗料缶数と下地調整作業の約束の一筆をくわえてもらうのは必須事項です。

隠れてしまう作業

しかも足場の上にのぼって見ない限り、あなたから見る事ができない場所はいくつも存在します。

いい仕事の標語などで、よく「自分の家を塗っているつもりで仕事しろ」ということを聞くことがあります。

でも、陽も雨もあたらず、今までもほとんど傷みがない場所での「規定どおりの作業」が、どうみても「そこまでする必要がない」と、誰もが間違いなく判断できるとしたら、これが本当に自分の家だとしたら、まずそこまでの作業はしません。

また今度やればいいや

少なくとも私は「また今度やればいいや」ということになるはずです。規定どおりの作業とは、それくらいつきつめた仕事です。

でも、「ほとんど痛むことがない場所なら、ワザワザお金をかけてそこまでしなくてもいい」と思うかもしれません。

本当は、それが正解だと思います。 ただ、その場所に限って言っているのではなく、そういった心づもりがなければ、やる必要のある場所までも、おろそかになる気持ちが生まれてしまうと思うのです。

特に塗装工事は、お客さんから見える作業より、塗れば隠れてしまう作業の方が、どちらかといえば長持ちさにつよく関わるものです。

偉そうに言う訳ではないですが、隠れてしまう作業だからこそ、人間性や仕事に対する思いによって左右されます。

飲食店のチェーン店は、どこも味がおなじですが、それは統一したレシピがあるおかげであり、もしちがっても味でわかります。

トヨタ自動車のどこの販売店で新車を買っても、品質は一緒です。でも、塗装工事はちがいます。 たとえ高品質塗料で統一し、工事内容が厳しく管理され、同一の会社で工事をしたとしても、作業する人間によって品質は必ずバラバラになります。

だから、私自身手が廻らなくて、どんなに忙しくても従業員や仲間以外の職人に仕事を頼む事ができないのは、あなたが信頼できる職人でないと、工事を頼めないのと一緒です。

実際の現場での話ですが、10メートルほどの高さにある3階で塗っているとき、2センチほどのボルトひとつの部分に、サビ落としがされてなくても、そのまま塗ってしまえばわからなくなります。

そこで確かに一苦労ですが、下まで5階層になる足場を1階層ずつ降りながら車の中まで金ブラシを取りに行くか、それとも「ボルトひとつ位いいか」とそのまま塗って、それで自分自身が納得行くのかどうかは、仕事の思いに対する自分への問いかけになります。

「ここはもっと念入りにしなければ」と、積み上げられた知識や経験がそう思わせても、仕事への思いがなければ、作業的に困難な場所や労力が必要になるほど、仕事内容に差は広がっていきます。 仕事の思いとはそういうことです。




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